一日一つ、TED talks の動画を紹介していくブログ

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【TED】 厄介ごとが創造性に与えるいい影響

 

伝説のアルバムの誕生

1975年、ドイツのケルン・オペラハウス。
弱冠17歳のコンサートプロモーターのVera Brandesは、アメリカのジャズミュージシャン、キース・ジャレットをオペラハウスに招致しました。

しかしながら当日用意されたピアノは状態が悪く、黒鍵はくっついており、白鍵は調律されておらず、ペダルは動かない。何よりもピアノそのものが小さすぎて、オペラハウス全体に響かせるだけの音量が得られなかったのでした。

キース・ジャレットはこれでは弾けない、と一度断りますが、雨の中必死で彼を説得する17歳の少女をかわいそうに思ったのか、ピアノを弾くことを引き受けます。

そして歴史に残る完全即興ソロ・コンサートが始まりました。

ジャレットは高音域を避け、中音域でなだめるような、アンビエントな音で演奏。
同時にピアノが小さいため、立ち上がり、ホール全体に音が響くようにたたくように力強く演奏。

結果として、ピースフルでありながら、エネルギーのあるダイナミックな演奏となったのでした。
そしてこれを記録したアルバムはピアノアルバムとして、またソロのジャズアルバムとして、世界で最も売れたアルバムとなったのでした。

ここでティム氏はこのキース・ジャレットのアルバムの成功が、コンディションの悪いピアノによってもたらされたと言います。
厄介ごとによっていい結果がもたらされたと。

フォントの見やすさが成績に与える影響

次の例はとある高校で行われた別の実験です。

授業で配られるプリントを内容は一緒のままフォントを変えることで、フォントが与える影響を調べました。
あるグループにはHelveticaTimes New Romanなどの、読みやすい普通のフォントのプリントを。別のグループにはzesty bounceや、like Comic Sans italicizedと呼ばれるいわゆる、読みにくいフォントのプリントを渡しました。

しかしながら期末に行われた試験の結果では、読みにくいほうのフォントを渡されたグループのほうが成績が良かったのです。

また、別の実験でも同じような結果が出ています。

ミステリーの殺人事件で、犯人を予想する課題を2つのグループに与えました。一つは4人の友人同士のグループに。もう一つは3人の友人同士と全くの他人1人のグループに。結果は見知らぬ人が入った方のグループの方が成績がよかったのです。

ここでティム氏は、興味深いのは成績のことだけではなく、実際被験者たちがどのように感じていたかだと言います。

実験後、彼らにインタビューを行ったところ、実際には成績の悪かった4人友人同士のグループは自分たちの成績が良かったと思っており、逆に他人が1人入ったグループの人たちは、自分たちが上手くやれなかったと感じていたのです。実際には逆の結果だったにも関わらず。

つまり自分たちが感じていることが必ずしも正しくはないのです。

こうした例を通して、ティム氏はこうした厄介ごと(messy problems)が問題をかえって解決したり、より我々をクリエイティブにしてくれると言います。
しかしながら、そのためにはそれを乗り越えていく根気強さも同時に必要だと彼は言います。弾くことのできないピアノを弾こうとする根気強さが。


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題名は直訳すると「厄介ごとがいかに創造性を刺激するか」
上記で書いたほかにも例がまだあったのですが、端折りました。

この動画は面白かった。
ちょっとした障害があるほうが、かえっていい結果につながる、ここまでは何となくわかるんですが、当人たちが自分たちの結果に対して不確かであるってところが興味深いです。

何かを学ぶ時も、ある程度のストレスがあるほうがかえって効果が高いように、何事にも多少の障害は必要なのかもしれません。

英語は非常にきれいなブリティッシュ英語。
聞きやすいですが、単語はよく分からないものが多かったです。
音楽あまり詳しくないので、訳はかなり適当です。

ちなみにキース・ジャレットのザ・ケルン・コンサートは↓から少しだけ聞けます。


英語の分かりやすさ:★★★★

動画について

Tim Harford: How messy problems can inspire creativity | TED Talk | TED.com

from TEDGlobal>London
原題:How messy problems can inspire creativity
講演者: Tim Harford
講演日: September 2015
時間: 15:32

 

 

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